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短編映画で世界をつなぐ視聴者参加型インターネット映画祭!CON-CAN MOVIE FESTIVAL http://www.con-can.com/
CONCAN メディア総合研究所 プロドューサー 若尾佳世乃氏
interview
 
インターネットで映画祭を立ち上げようとされたきっかけは何だったのですか?


  実は CON-CAN ムービー・フェスティバルが立ち上げられてから既に 4 ヶ月ほど経過してから事務局で働くようになったので、 私が立ち上げメンバーだった訳ではありません。どちらかというとヘルパーとして呼ばれてきて、そのまま今日に至ってしまった、という感じです … 。

ただ、始めたきっかけに関しては、私がきいているところによれば、弊社の社長は若かりし頃、 映画館に入り浸るタイプの文学青年だったそうで、いつか自分の力で商業主義や公的資金に左右されない映画祭を開催し、 映画の素晴らしさを通して作り手と観客が心を通わせることができるような場を提供することが夢だったということです。 実際、 10 年ほど前に映画館を借りて映画祭を開催しようとしたらしいのですが資金難で挫折したらしく、 ブロードバンドの時代が到来したときに、「これだ!」と飛びついたということをきいています。

というのも、実際に映画館で行われる映画祭ですと、スタッフもかなりの人数が必要になりますし、 宣伝費、会場の使用料、機材費、フィルムのプリント代やフィルム用の字幕代、審査員・ゲスト・出席者の渡航費や滞在費など、 かなりの資金が必要とされます。また、実際にその場に出かけることができる人、 しかも多くの場合は入場料を払うことができる人しか参加することができません。

その点インターネットだと、通常の映画祭に比べ経費のかなりの部分が節減されますし、 より多くの人々に作品を観ていただくことができます。 例えば、 CON-CAN では審査員の方々にはそれぞれの国からウェブ・カメラを通してインターネット・カンフェレンスにご参加いただいて審査をしていただいていますし、 インターネット・カンフェレンスの過程をインターネットでライブ配信し、一般の方々に公開しています。こうした工夫によって、 通常よりも少ない資金でよりオープンな映画祭ができるわけです。

また、 CON-CAN ムービー・フェスティバルは株式会社メディア総合研究所の一事業として展開されていますが、 「日本語・英語字幕付で行われるインターネット映画祭」ということで、弊社の翻訳、映像、 IT などの他の様々な部門のノウハウを 総合的に包括できるショーケース的な事業という意味合いからこのプロジェクトは立ち上げられたという経緯もあるそうです。


インターネットで映画を紹介する意義

 実は私は個人的には映画というのは大スクリーンで観るものだと思っています。 作り手の多くも大スクリーンで最終的に上映されることを念頭に作品を作っていますし、 暗闇の中、大スクリーンで観てこそ初めてその映画の世界をきちんと楽しめると思います

 ただ、日本のみならず世界各国で近年指摘されている映画業界の問題のひとつとして、 大々的な予算の元で制作される娯楽映画はより多くの注目や資金を集める一方、 いわゆるアート系の映画や、作り手の考えや世界を一貫して表現した映画、 良心的な社会派作品などは逆に既存のメディア ( 例えば映画館、テレビなど ) を通して露出される機会が減っているということです。

 私は映画自体が巨大な広告塔であったり人の考えを支配したりするだけのものであるならば、 映画を好きになることはなかったと思います。やはり映画を通して、 そうでなければ分からなかった世界や文化や様々な価値観や他の人の立場が理解できることに 一番の意義があるのではないかと思うのです。

 もしそういった映画が資金面からの理由で大きなメディアからどんどん締め出されているのであれば、 インターネットというのは多様化する消費文化の中で、 1 つの新しい配給システムとしての可能性をもっているかもしれない、と思います。

 それからやはりインターネットで映画を配信することの凄さは、 ブロードバンド回線があり日本語もしくは英語が理解できる限り、 日本の片田舎にいながらインドからの入選作品を楽しんだり、 イランにいながらアメリカのインディペンデント作品を楽しんだりできることです。

たとえ国同士が仲が悪かったり、実際の生活のうえでは触れることのない文化であったりしても、 インターネットと短編映画を通して他の文化に触れることで理解が生まれるかもしれません。 短編映画は長編映画に比べ作り手の意図が歪曲されずに表現できるジャンルですし、 CON-CAN で配信されている作品はどれもとても優れた作り手の手によるものだと自負しています。


今後の展開を教えてください。
 

今までいろいろと模索しながらとりあえず映画祭を回し、良い作品を集めることに力を注いできました。その中で感じたのはやはり、クリエーターの皆さんは映画を作り続けることに情熱を注ぎながらも、同時にそれによって収入を得たいという希望が強いということです。皆さん生活をしていかなければならないのですが、映画作りというのは他の仕事ができないぐらい、精神的にも、体力的にも、資金的にもかなりのコミットメントを必要とする作業だからです。

 多くの力を注ぎ完成させて CON-CAN に出していただいた作品なのに、これまで充分に入選作品を露出できていません。ですから私の目標としては、新たに素晴らしい作品を集めることだけでなく、今 CON-CAN にある作品をより多くの人の目に触れさせること、そして、今後は私たちも収益を上げてクリエーターさんたちに還元していくことです。


企業名 株式会社メディア総合研究所 様
サイト名 CON-CAN MOVIE FESTIVAL

ホームページ

http://www.mediasoken.jp/
担当者 プロデューサー 若尾佳世乃氏
当社ご利用コース 専用ストリーミングサーバー/Flash Media Server

 

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